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IEC 61340-4-9とは?JIS T 8118との違い|電子部品・半導体工場で求められるESD対応ユニフォームを解説

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「JIS T 8118対応作業服を使用していれば、電子部品の静電気対策も十分?」

「IEC 61340-4-9とはどのような規格?」

「ESD対応ユニフォームと一般的な静電作業服は何が違う?」

 

半導体や電子部品、精密機器などを扱う企業の購買担当者・品質管理担当者・制服選定担当者の方の中には、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 

静電気対策用の作業服として広く知られているのが「JIS T 8118対応作業服」です。一方、半導体・電子部品・精密機器など、より高度な静電気管理が求められる製造現場では「ESD」という考え方が重要になり、その衣服の評価に関係する国際規格の一つが「IEC 61340-4-9」です。

 

どちらも静電気に関係する規格ですが、目的や確認する内容には違いがあります。

 

この記事では、

  • IEC 61340-4-9とは何か
  • JIS T 8118との違い
  • どのような企業で検討したいのか
  • ESD対応ユニフォームを導入するメリット
  • 製品品質や企業姿勢を顧客へ伝える付加価値

について、企業の購買担当者・品質管理担当者・制服選定担当者の方に向けてわかりやすく解説します。

 

そもそもESDとは?

ESDとは、Electrostatic Discharge(静電気放電)の略です。

 

人が歩く、衣服がこすれる、椅子から立ち上がる、製品を持つなど、日常的な動作でも静電気は発生します。蓄積された静電気が別の物体へ移動するときに起こるのが「静電気放電」です。日常生活では、ドアノブなどに触れたときの「バチッ」という静電気をイメージする方が多いでしょう。

 

しかし、半導体や電子部品を扱う現場で問題となるのは、人が感じるような大きな静電気だけではありません。人が感じないほど微弱な静電気放電でも、静電気に敏感な電子デバイスに影響を与える可能性があります。

 

そのため、「作業者が静電気を感じなければ大丈夫」ではなく、「製品に影響を与える可能性のある静電気まで管理する」という考え方が必要になります。

 

IEC 61340-4-9とは?

IEC 61340-4-9は、静電気管理用途に使用される衣服の電気抵抗を測定するための試験方法を定めた国際規格です。IECとは「International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)」のことで、電気・電子分野における国際規格を策定しています。IEC 61340シリーズは静電気に関する規格群で、その中の「4-9」が衣服に関係する規格です。

 

現在はIEC 61340-4-9:2024が発行されています。

 

つまり、「静電気対策用の服です」というメーカー独自の表現だけではなく、衣服の電気抵抗などを一定の試験方法によって評価するための国際的な基準がIEC 61340-4-9です。

 

日本にもJIS C 61340-4-9がある

日本では、JIS C 61340-4-9:2018「静電気―第4-9部:特定応用のための標準試験方法―衣服」が制定されています。

 

静電気管理用途に使用する衣服の電気抵抗を測定する試験方法について規定したものです。JIS C 61340-4-9:2018は、IEC 61340-4-9:2016を基にした規格です。

 

そのため、これまで紹介してきた「JIS T 8118」と同じJISという名称が付いていますが、JIS T 8118とJIS C 61340-4-9は別の規格であることを理解しておきましょう。

 

JIS T 8118とIEC 61340-4-9は何が違う?

ここが購買担当者・制服選定担当者の方に最も知っていただきたいポイントです。どちらも衣服と静電気に関係しますが、規格の目的・試験内容が同じではありません。

 

JIS T 8118とは?

JIS T 8118は「静電気帯電防止作業服」に関する日本産業規格です。作業服への静電気帯電に起因して発生する災害や障害を防止するための静電気帯電防止作業服について規定しています。

 

例えば、「化学工場」「石油化学工場」「塗装工程」「可燃性物質を扱う職場」「粉体を扱う職場」など、静電気放電が火災・爆発等のリスクにつながる可能性のある作業環境で検討されます。

 

IEC 61340-4-9とは?

IEC 61340-4-9は、静電気管理用途に使用する衣服の電気抵抗を評価する試験方法を定めています。特に半導体や電子部品など、静電気に敏感な製品を取り扱う現場では、作業者が着用する衣服もESD管理の重要な要素となります。

 

JIS T 8118とIEC 61340-4-9を比較すると?

購買担当者の方には、次のように整理するとわかりやすいでしょう。

 

比較項目 JIS T 8118 IEC 61340-4-9
分類 日本産業規格 国際規格
主なテーマ 静電気帯電防止作業服 静電気管理用途の衣服の抵抗評価
重視する視点 衣服の帯電による災害・障害防止 ESD管理用途の衣服の電気抵抗評価
想定される用途例 化学・塗装・燃料・粉体など 半導体・電子部品・精密機器など
電子部品保護 これだけで判断しない ESD管理衣服を評価する重要な規格の一つ
作業服以外の対策 静電靴・床・設備等 靴・床・作業台・工具等を含むESD管理が重要

 

重要なのは、「IEC 61340-4-9の方がJIS T 8118より上の規格」と単純に考えないことです。

 

目的や試験内容が異なります。自社が何を静電気から守りたいのかによって、確認すべき規格が変わります。

 

なぜ電子部品・半導体ではさらに高度な静電気対策が必要なのか?

現在では、「自動車」「家電」「スマートフォン」「産業機械」「医療機器」「通信機器」「ロボット」など、あらゆる製品に電子部品が使用されています。

 

さらに、電子部品や半導体の高性能化・小型化が進んでいます。

 

そのため、製造現場では静電気による、「半導体デバイスの損傷」「電子部品の故障」「精密機器の誤作動」「製品不良」「品質低下」などを防ぐためのESD管理が重要になります。

 

しかも問題なのは、静電気による影響が必ずしもその場で「壊れた」とわかるとは限らないことです。だからこそ、製造工程そのものに静電気を管理する仕組みを取り入れることが重要になります。

 

ESD対策は「作業服だけ」ではありません

IEC 61340-4-9に対応したユニフォームを導入すれば、ESD対策がすべて完了するわけではありません。

 

実際の製造現場では、「ESD管理衣服」「静電気対策用の靴」「床」「作業台」「工具」「椅子」「必要に応じたリストストラップ等」「作業ルール」というように、職場全体で静電気を管理する必要があります。

 

電子部品や半導体などを取り扱う現場では、EPA(ESD Protected Area:ESD保護区域)を設定して静電気管理を行う場合もあります。ユニフォームは、そのESD管理システムを構成する重要な要素の一つです。

 

どんな企業がIEC 61340-4-9対応ユニフォームを検討したい?

例えば、

  • 「半導体製造」
  • 「電子部品製造」
  • 「電子基板製造・組立」
  • 「精密機器製造」
  • 「センサー製造」
  • 「電子制御機器製造」
  • 「自動車電子部品製造」
  • 「医療機器製造」
  • 「電子部品を扱う倉庫」
  • 「電子部品を扱う物流工程」

などです。

 

ただし、「電子部品を扱っているから必ずIEC 61340-4-9対応衣服が必要」ということではありません。

 

取り扱う製品のESD感受性や自社のESD管理基準などを確認したうえで判断することが重要です。

 

ESD対応ユニフォームは「品質へのこだわり」を伝える一つの材料にもなる

ここでもう一つ注目したいのが、ESD対応ユニフォームを導入することによる企業としての付加価値です。高い品質が求められる製造業では、完成した製品だけではなく、「どのような環境で製造しているのか」という製造工程そのものが、取引先からの信頼につながることがあります。

 

例えば、「当社では製品への静電気影響を考慮し、作業環境だけでなく、作業者が着用するユニフォームにもこだわっています。」ということも、自社の品質管理への姿勢を伝える一つの材料になります。

 

「見えないところまで品質にこだわる会社」というメッセージ

ユニフォームは、お客様から見れば製品そのものではありません。しかし、製造現場では毎日作業者が身につけています。

 

だからこそ、「製品だけではなく、製造工程まで品質にこだわっている」「目に見えない静電気リスクまで考えている」「作業者が着用する衣服まで含めて製造環境を整えている」という企業姿勢を示す一つの要素になります。

 

特に、「品質監査」「工場見学」「取引先への会社紹介」「製造工程の紹介」「品質管理方針の説明」「採用活動」「自社ホームページ」などでは、こうした取り組みを紹介することもできます。

 

クライアントへこんなメッセージを伝えることもできます

例えば、ESD管理を適切に行っている企業であれば、取引先に対して次のような考え方を伝えることができます。

 

「当社では、製品の品質を守るため、製造設備だけでなく作業環境全体の静電気対策に取り組んでいます。作業者が着用するユニフォームについても、製造環境に求められる静電気管理性能を考慮して選定しています。」

 

あるいは、「目に見えない静電気リスクまで考慮し、作業者が着用するユニフォームを含めた製造環境づくりに取り組んでいます。」という伝え方もできます。

 

つまりESD対応ユニフォームは、「静電気対策のための作業服」という機能的な価値だけではなく、「製品品質のために製造工程の細部まで配慮している企業」という姿勢を伝える一つの材料にもなります。

 

「この会社の商品なら安心」と感じてもらうために

BtoB製造業では、取引先が重視するのは価格や納期だけではありません。

 

「どのような品質管理をしているのか」「どのような環境で製造しているのか」「製品不良を防ぐためにどこまで取り組んでいるのか」という点も重要です。

 

だからこそ、設備だけではなく、「作業服」「靴」「床」「作業台」「工具」「作業方法」など、製造工程全体で静電気対策を考えることは、品質管理の考え方を示す一つの取り組みになります。

 

「製品の見える部分だけではなく、製造工程の見えない部分にもこだわる。」その姿勢を積み重ねることが、取引先からの信頼につながっていきます。

 

ただし「IEC対応=製品品質保証」ではありません

ここは重要なポイントです。

 

IEC 61340-4-9対応ユニフォームを導入したからといって、「製品不良が発生しない」「製品の安全性が保証される」「このユニフォームを着れば完全なESD対策になる」という意味ではありません。

 

IEC 61340-4-9は衣服の静電気特性を評価するための試験方法に関する規格です。

 

そのため、「IEC対応ユニフォームを導入しているから当社製品は絶対に安全です」という表現ではなく、「製品品質を守るため、ユニフォームを含めた製造環境の静電気対策に取り組んでいます」と表現するのが適切です。

 

この違いは、企業が取引先へ情報発信する際にも重要です。

 

ESD対応ユニフォームを導入する5つの価値

ESD対応ユニフォームを導入する意味を整理すると、次の5つに分けることができます。

1.静電気に敏感な製品への対策

半導体や電子部品などへの静電気放電リスクを管理するための一つの対策になります。

2.製造現場のESD管理強化

衣服だけでなく、靴・床・設備などを含めたESD管理体制の構築につなげられます。

3.品質管理への意識向上

「なぜこの作業服を着るのか」を従業員へ伝えることで、現場全体のESD・品質管理への意識向上にもつながります。

4.取引先への品質管理姿勢の発信

製造設備だけでなく、ユニフォームまで配慮していることを、品質管理への取り組みの一つとして伝えることができます。

5.企業ブランディング

高機能ユニフォームを単なる作業着ではなく、「自社の品質へのこだわりを表現するユニフォーム」として活用することもできます。

 

よくある質問

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Q.IEC 61340-4-9とは何ですか?

静電気管理用途に使用される衣服の電気抵抗を測定するための試験方法を定めた国際規格です。半導体や電子部品など、静電気に敏感な製品を扱う現場では、ESD管理衣服を選定する際に関係する重要な規格の一つです。

Q.JIS T 8118との違いは何ですか?

どちらも静電気と衣服に関係しますが、目的や評価内容が異なります。JIS T 8118は静電気帯電防止作業服について定めた規格です。IEC 61340-4-9は、静電気管理用途の衣服について電気抵抗を評価する試験方法を定めています。そのため、どちらが「上」ということではなく、自社の目的に応じて確認することが重要です。

Q.JIS T 8118対応なら電子部品工場でも十分ですか?

一律には判断できません。電子部品や半導体など静電気に敏感な製品を扱う場合は、製品のESD感受性や社内のESD管理基準などを確認し、必要な衣服性能を決定する必要があります。

Q.IEC 61340-4-9対応ユニフォームを導入すればESD対策は完了ですか?

いいえ。衣服はESD管理を構成する一つの要素です。靴、床、作業台、工具、設備、作業方法などを含め、職場全体としてESD対策を考える必要があります。

Q.ESD対応ユニフォームは取引先へのアピールにも使えますか?

品質管理への取り組みを伝える一つの材料として活用できます。例えば、「製品への静電気影響を考慮し、設備だけでなく作業者が着用するユニフォームまで含めた静電気対策に取り組んでいます」というように、製造工程へのこだわりを伝えることができます。

 

ただし、ユニフォームの導入だけで製品品質や安全性が保証されるわけではないため、実際に行っているESD管理の範囲に合わせた表現にすることが重要です。

 

まとめ|ユニフォームは「製品品質を支える製造環境」の一部

JIS T 8118対応作業服とIEC 61340-4-9に関係するESD管理衣服は、どちらも静電気対策に関係しますが、その目的・評価内容は同じではありません。

 

特に半導体・電子部品・精密機器などを扱う企業では、「人を守る静電気対策」だけでなく、「製品を静電気から守る」という視点も重要になります。

 

そして、さらに一歩進んで考えると、ユニフォームは単なる作業着ではありません。「当社は製品を安心してお使いいただくために、製造設備だけでなく、そこで働く人が着用するユニフォームにまでこだわっています。」そんな企業の品質に対する姿勢を表現するものにもなります。

 

製品そのものだけではなく、「どのような環境で、どのような考え方で製造しているのか」まで取引先に伝える。ESD対応ユニフォームは、製品品質を支えると同時に、企業の品質管理への姿勢を可視化する一つの手段にもなります。

 

より高度な静電気対策が必要な企業様へ

  • 「現在JIS T 8118対応作業服を使用しているが、さらに静電気対策を強化したい」
  • 「半導体・電子部品を扱っているため、ESD対応ユニフォームを検討したい」
  • 「自社の作業環境にどのレベルの静電気対策が必要なのかわからない」
  • 「安全性だけでなく、企業としての品質へのこだわりもユニフォームで表現したい」

 

アーバンユニフォームでは、一般的なJIS T 8118対応作業服から、より高度な静電気管理が求められる現場に向けたESD対応ユニフォームまで、企業ごとの使用環境や目的に合わせてご提案します。

 

単に「規格に対応した作業服を販売する」のではなく、作業環境・製品・従業員・品質管理・企業イメージまで考えたユニフォーム選定をご提案します。

 

製品を安心してお使いいただくために、製造工程の細部までこだわる。その企業姿勢をユニフォームからつくってみませんか。

 

より高度な静電気対策やESD対応ユニフォームをご検討の企業様は、アーバンユニフォームまでお気軽にご相談ください。

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